カニ
9月なのに蒸し暑かった。
朝起きてちょっと変な気分のまま、ぐっすり寝ている父を横目に普通にお弁当など準備して出勤。
職場は通い始めて3ヶ月、夏休みとか忌引とかで抜けてるものの、やることも増え、あんまり隙間時間も少なく、お昼休みくらいかな、、、
母のことを思い出したのは。
まぁ色々と思ってしまうと涙が自然と出てくるので、このくらいがちょうど良い。
定時が来て帰ろうとすると実家から電話してのメッセージで電話すると、特に私に予定がないなら買い物に行きたい、というので実家に行き、父を乗せてスーパーを2軒はしごした。
特に趣味もない父なので、自身のタバコが欲しい時とパチ屋(近い)に出る以外は、スーパーへ行くのが唯一の外出。まぁまぁ歩いたことでしょう。
ある近くのスーパーでは、定期的にカニが入荷されている。
何と言うやつかは分からないが、小さいサイズのもので夜行くと半額になっていて、今夜はそれを買った。
母は、とにかく、無類のカニ好きだった。
病気が発覚して療養開始して、3ヶ月ほど経った4月に、北陸に住む妹から立派なカニが送られてきた。
少しずつ食欲が低下していて、あまり食べたいものがない母だったが、とにかくカニだけは別で本当に届いて嬉しそうにしていた。
その姿を写真におさめていたのだが(それはスマホ撮影)、その姿は本当に母を良く表しているなと亡くなった後ですぐにプリントして、仏壇に置いているくらいだ。
その別なショットを机に置いて、夜は父と一緒にカニを彼女の目の前で食べた。
父は看病してた時のように
「ほら、カニ食べなきゃ駄目だぞ!」
と言いながら食べていた。
そんな初めての月命日だった。
こんな風に、少しずつ時が経っていくんだな。